形成外科Plastic Surgery
診療項目
保険診療
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ほくろ
基本的に良性ですが、色調が不整で増大が速いものなどについては悪性の可能性があります。当院では診察の上、希望される方には適切な方法で治療を勧めてまいります。
治療方法
手術(保険適応)
局所麻酔をして、メスで切開し、糸で縫います。元のほくろよりわずかに長い直線の縫い傷になりますが、生理的なシワに沿いますので時間とともに目立たなくなります。再発しにくく、病理診断で良性悪性の診断を付けることができます。例えば、「サイズが大きいほくろ」、
「色調が濃く深いほくろ」、「良性悪性の判断をつけるべきほくろ」については、手術をお勧めします。 -
粉瘤
(黒い点のあるできもの)皮膚直下に袋ができ、内部に皮脂が溜まることによって生じるできものです。黒い点を伴い、くさい分泌物を伴います。顔や背中にできやすいです。細菌感染すると膿が溜まり切開処置が必要なことがあり、痛い思いをすることになります。そうなる前に切除することをお勧めします。
治療方法
手術
当院では、再発の観点より 原則くり抜き法ではなく一般的な摘出術を行っております。最小限の切開を用い整容面にもこだわります。
※粉瘤に炎症や排膿が起きている場合は、手術ではなく抗生剤内服・切開排膿処置をします。炎症を抑えてから、改めて摘出術を行うことをお勧めしています。
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脂肪腫
(柔らかいできもの)皮下に発生する成熟脂肪組織からなる軟性のできものです。良性であることが多いですが、稀に悪性になることがあります。超音波検査で診断をつけ、可能な限り小さな切開から摘出していきます。サイズがあまりに大きくなると全身麻酔下での摘出となるため、小さいうちに摘出されることをお勧めします。サイズが大きなものについては、地域連携病院に紹介させて頂く場合があります。
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軟性線維腫、アクロコルドン
(柔らかいできもの、イボ) -
皮膚線維腫
腕や大腿などに発生する数mm~2cm程度の良性の腫瘍です。褐色から皮膚の色味をした円形で、症状を伴うことは少ないですが圧痛を伴うことがあります。虫刺されや小さな傷を起因とする場合があります。症状がある場合、増大傾向にある場合は切除を行います。
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皮膚がん
主に基底細胞がん、有棘細胞がん、悪性黒色腫などが挙げられます。これらを疑うほくろは一部組織を取る(生検)もしくは全切除して病理検査で診断をつけます。
悪性の場合、以下の検査治療が必要です。
画像検査
造影CTなどでリンパ節転移がないか検索します。(他院に紹介)
拡大切除
腫瘍から数mm離し切除し、再発の可能性を極めて下げる。
疾患や状態によっては、地域連携病院へ紹介させていただきます。
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脂漏性角化症
(老人性イボ) -
眼瞼黄色腫
(まぶた周りのできもの) -
けが(すりきず、きりきず)
けがをしたら、まず当院まで電話でご相談ください(ネットからの予約は空いていない可能性があります)。時間が経ってからでは適切な治療ができない可能性があります。部位や傷の状態や患者さんへのメリットなどから治療を判断し、できる限り早く治癒できるよう寄り添って治療いたします。
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きずあと(肥厚性瘢痕)
けがや手術をした痕は、時間とともに目立ちにくくなることが多いですが、「キズの幅が広がる」「キズが盛り上がる」など目立ってしまう場合もあります。保険治療では傷を形成外科的手技で目立ちにくい傷に置き換える瘢痕修正術という方法があります。
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ケロイド
顎、肩、胸部、下腹部などに生じるミミズ腫れのような腫瘍のことです。体質によるものが多いです。傷跡・虫刺され後・注射痕から盛り上がることが多いですが、誘因なく生じる場合もあります。また、ピアスの穴から盛り上がってケロイドを形成することがあります。
治療方法
保存的治療(保険治療)
ステロイド剤の貼付・注射を使用していく方法です。継続が大事であり、効果が出るまで半年〜1年ほど続けていきます。
手術(保険治療)
盛り上がっている部位を切除しますが、切除しただけでは体質により再発してしまいます。術後も圧迫やトラニラスト内服など対策が必要です。それでも再発する場合は、手術+放射線療法の適応となってくるため地域連携病院への紹介となります。
自費治療
ケロイドの赤みに対して光治療(IPL)もしくは色素レーザー(2025年対応予定)を照射することで色味や隆起の改善につながるとされ、ステロイド剤の局注と同時に照射する方法もあります。
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ガングリオン
(柔らかいできもの)手指・手関節・足指・足関節周囲にできる柔らかいできものです。関節包と連続しており、内部にはゼリー状の関節液が溜まっています。診断はエコー検査で行います。症状がなければ経過観察で良いですが、痛み・しびれなど症状がある場合は中身を穿刺します。また、再発する場合は内部にステロイドを局注する治療があります。手術は、再発の可能性が他の良性腫瘍の手術と比較して高いです。
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あざ
青あざ、茶あざ、赤あざに分類されます。お子さんのあざについては、できる限り早くレーザー治療を開始するほうがメリットは多いです。もちろん、大人になってからの治療も可能です。これらのレーザー治療は、回数や打つ間隔は決まっておりますが保険適応(一部自費扱い)となります。
青あざ
異所性蒙古斑
蒙古斑は、通常臀部周囲に認め、就学期までに大体消退します。しかし、手足などに濃く生じるとそのままでは残ってしまいやすいです。当院ではルビーレーザーを用いて薄くすることで、最終的な自然消退を期待していきます。
太田母斑
前額や眼瞼周囲に認める黒色斑で、出生時より認めます。当院ではルビーレーザーの適応となります。
茶あざ
扁平母斑(自費治療)
生まれつきの褐色斑です。ルビーレーザーの適応となりますが、照射しても再発する可能性があります。また、照射して濃くなることも稀に起きるため試験照射をした上で治療適応を考えます。
赤あざ ※開業時色素レーザーは未導入です(2025年導入予定)。近隣の所有される医療機関様に紹介させていただきます。
乳児血管腫(いちご状血管腫)
生後まもなくいちごの様なできものが生じ増大していきます。就学期までに消退しますが、一度増大してしまうと痕が目立やすくなります。生じてすぐに色素レーザーを照射することで増大を抑制し、痕を最小限にします。
毛細血管奇形(単純性血管腫)
生まれたときから平面状に見られる赤色斑です。自然に引くことはなく、成人期まで放置すると瘢痕化し盛り上がります。早めから色素レーザー治療を行うことをおすすめします。ただ、治療で薄くなっても長い経過で再度濃くなる可能性があります。また、広範囲に認める場合全身疾患を伴っている場合があるため地域連携病院の小児科への紹介をさせていただくことがあります。
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巻き爪、陥入爪
巻き爪
爪が湾曲し、場合によっては両端が刺さる状態です。テーピングや爪切りの方法で改善することもありますが、「高弾性ワイヤー(マチワイヤーMD)」もしくは「巻き爪マイスター®」を使用して矯正します。1〜2ヶ月ごとの交換で、半年程度で改善していくことが多いです。また、治療に伴い爪を柔らかする薬剤「リネイルゲル」を用いることでワイヤー装用期間を短くすることもできます。
※これら治療はすべて自費治療となります。価格表 自費初診 2,200円 自費再診 1,100円 取り付け料(1趾) 2,200円 マチワイヤ 材料費 4,400円 巻き爪マイスター® 材料費 6,600円 リネイルゲル 4,400円 陥入爪
爪の端が皮膚に刺さりキズができ、細菌感染や肉芽形成を伴いなかなか治らない状態です。テーピングや爪切りの方法で改善することもありますが、即効性を求め応急処置として局所麻酔下に部分抜爪を行います。また、陥入を繰り返す場合 陥入する部位の爪の素(爪母)をフェノールで腐食させ生えなくする処置(フェノール法)もしくは手術的に切除してしまう(爪床形成術)を行うことができます。(すべて保険適応)
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眼瞼下垂症
「瞼周りが重くなる」、「目が開けにくい」という症状から「頭重感がある」、「肩こりがする」など多彩な症状を呈します。原因として大きく 「瞼を持ち上げる筋肉が弱まる場合(腱膜性下垂)」と「瞼周りの皮膚が垂れて見えにくくなる場合(皮膚性下垂)」とあります。年齢や程度に応じて保険手術で治療を受けることができます。保険手術の場合は、もちろん整容面にはこだわりますが機能の改善を主眼においての治療となります。
腱膜性下垂
加齢変化、ハードコンタクトレンズ長期装用の刺激、アトピー性皮膚炎で瞼をこする癖があるなど瞼を持ち上げる挙筋に負担がかかり働きが弱まることで生じます。治療としては、上瞼を切開し、挙筋を同定して引き出し、瞼板に再固定することで挙筋の力が瞼に伝わりやすくするようにします(挙筋前転術)。
皮膚性下垂
瞼周りの余剰皮膚によって視野を遮っている状態です。余剰となっている皮膚の幅を見積もり、眉毛下縁でその幅の皮膚を切除して上にリフトアップすることで改善します(眉毛下皮膚切除)。場合によっては瞼周りの皮膚を切除することで対応する場合もあります。
いずれの手術も局所麻酔下に行い、術後1週間程度は、瞼周りの内出血や腫脹が続く場合があります。
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下肢静脈瘤
足の静脈は基本的に足の先から心臓に向けて一方向に流れます。しかし、逆流を防止する静脈弁が弱まると逆流し血液がうっ滞することで浮腫・こむら返り・皮膚炎などを引き起こします。立ち仕事の方に多く、出産後に悪化することも多いです。保存的治療としては弾性ストッキングでの圧迫があり、症状改善・進行の予防となりますが根治とはなりません。外科的治療であれば、カテーテルを用いたラジオ波焼灼術・血管内塞栓術を行い静脈の逆流を止めます。症例によっては血管抜去術(ストリッピング)の適応となることがあります。
当院ではエコーで診断し、血管内塞栓術で逆流している血管を閉塞する治療を行います(今後対応予定)。その他の治療の場合は、地域連携病院に紹介させていただきます。 -
フットケア
糖尿病を患っている場合、足の感覚神経が低下して傷ができやすくなります。また、動脈硬化で足への血流が乏しく、傷が治らず深くなる(潰瘍)ことが多いです。細菌感染を起こしやすく壊死・切断に繋がることがあります。そうならないよう、足を定期的にチェックを行います。傷ができないようにし(爪切り・タコ削り・生活指導など)、傷ができた場合は早期に介入します。
フットケア専用の洗い場も用意しており、自宅などで処置困難な方も通院で処置を継続することができます。