アレルギー科 Allergyアレルギー科 Allergy

アレルギー科Allergy

アレルギーについて

アレルギーとは、食物や薬剤、花粉、ほこりなど、通常は体に大きな害を与えない物質に対して、過剰な免疫反応が引き起こされることです。“アレルギー疾患”は1つの病名ではなく、このような免疫反応の異常によって生じる病気の総称であり、さまざまな種類があります。アレルギーが関係する病気としては、花粉症やアレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、蕁麻疹、薬物アレルギーなどがあります。

また、アレルギーは症状も多様であり、軽度なケースは自然に軽快することがほとんどです。しかし、重度な場合には気管支喘息なら呼吸困難から窒息を引き起こしたり、血圧が急低下して意識を失うといった「アナフィラキシー症状」が生じたりすることもあります。対処が遅れると命にかかわることもあります。

現在、日本では2人に1人が何らかの物質に対してアレルギーを持つとされており、年々患者数が増加傾向にあることが問題となっています。その背景には生活様式や環境・食生活の変化などが挙げられていますが、アレルギーが疑われる症状が現れた場合は、できるだけ早く治療や生活改善などを始めることが必要です。

アレルギーについて
  • 花粉症(アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎など)

    花粉症は植物の花粉が原因で引き起こされる季節性アレルギー性疾患の総称です。目のかゆみ、鼻づまりや止まらない鼻水などの不快感は日常生活の質を大きく損ないます。主に、鼻の症状からなるアレルギー性鼻炎や目の症状からなるアレルギー性結膜炎が現れます。また、“花粉皮膚炎”とよばれる皮膚症状が出ることもあります。患者数は年々増加傾向で、国民のおよそ42.5%が花粉症にかかっていると推測されています。

    花粉症

    原因

    花粉症の約70%はスギ花粉症だと考えられています。これはわが国には全国の森林の18%、国土の12%をスギが占めているためでもあり、関東や東海地方ではスギが中心になります。また、関西ではスギと並んでヒノキも植林面積が広いため、ヒノキも要注意です。一方、北海道にはスギやヒノキが少なくシラカンバ属(カバノキ科)が多いという特徴があります。

    治療

    まず“原因物質の回避”が最重要です。花粉の飛散情報に注意し、飛散が多い日は外出を控えるとともに外出時は眼鏡やマスクを着用し、花粉を吸わない、室内に持ち込まない工夫を徹底しましょう。
    薬物療法は抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬の内服や鼻噴霧用ステロイド薬が中心です。また体内に少量ずつアレルゲンを投入し、体を慣れさせることでアレルギーを起こりにくくする舌下免疫療法もあります。近年ではスギ花粉とダニに対するアレルギー性鼻炎に対して、舌下免疫療法が行われています。

  • じんましん

    じんましん(蕁麻疹)は、皮膚に突然現れるかゆみのある赤い発疹や腫れが特徴の病気です。発疹は通常数十分~1日以内で消えますが、再発することがあります。原因としてアレルギー性のものと非アレルギー性のものがありますが、アレルギー性の場合は食物、薬物、ストレスなどが誘因となります。

    治療は、まず誘因となる物質を避けることとなります。そして薬物治療では抗ヒスタミン薬が一般的に使用され、かゆみや腫れを軽減します。

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    じんましん
  • アトピー性皮膚炎

    アトピー性皮膚炎は、慢性的な炎症性皮膚疾患でかゆみや湿疹を特徴とします。かゆみは夜間に強くなることが多く、睡眠を妨げることがあります。
    主に遺伝的要因や環境因子が原因となり、アレルギー体質の人に多く見られます。

    治療は、毎日の保湿が基本で入浴後には必ず保湿剤を使用します。炎症が強い場合はステロイド外用で抑え、落ち着いてきたら非ステロイド外用薬で改善を維持していきます。重度の場合は免疫抑制剤が処方されることがあります。また日頃からアレルゲンの回避、ストレス管理、適切な衣類選びが大切です。

    アトピー性皮膚炎
  • 接触性皮膚炎

    何らかの物質がに接触することで、赤み、かゆみ、水ぶくれなどの症状をきたすことです。かぶれを起こす機序によって、刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎の2種類に大きく分けられます。
    前者は化学物質や虫の毒など誰にでも炎症を起こすもの、後者は特定の物質(例えば金属など)のみに炎症を起こすものです。

    部位から原因を考え、その原因を取り除くことが最優先ですが わからない場合はパッチテストを行い特定に繋げます。治療は、ステロイド薬・保湿剤外用、抗アレルギー薬内服などです。

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  • アレルギー検査について

    花粉症・アトピー性皮膚炎・じんましん・接触性皮膚炎などのアレルギーが関連する疾患において、血液検査でアレルギーの原因を調べることができます(当院では12歳未満小児の採血には原則対応しておりません)。
    また、接触性皮膚炎に関してはパッチテストを行っております。貼付して2日目・3日目の判定が必要なため、検査は火曜日のみの対応となります。

    まずは生活環境などをお伺いした上で、必要であれば検査などを行い、的確に治療していきます。心配な症状などございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

    アレルギー検査について